年末から色んな本やネットでレシピを調べて、
お正月用に「花びら餅」を作っていたのですが、
色んなレシピがあって、それなりに自分の「花びら餅」を作り、
お正月のお節料理に並べていたのですが、今回、面白い本を見つけました。
「花びら餅に秘められた宇宙観とは?」
という謎めいた文面に興味が沸いて( ´艸`)
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👆 「和菓子ものがたり」という和菓子老舗「虎屋」さんで
お仕事されている方が書かれた本です。
和菓子の歴史やエピソード、和菓子の歴史や意匠に秘められた謎を探る、
という、和菓子好きの私としては興味ありありで早速購入しました。
今回は、12月末から1月に出回る、
和菓子「花びら餅」について読んでみました。
「丸い白餅(あるいは求肥)の上に紅の菱餅をのせ、
味噌餡と甘煮にした牛蒡を置いて、半円状に折りたたんだものですが、
白地にほんのりと透ける紅色が新春の華やぎを思わせ、
梅の花びらにも似た品の良さが人目を引きつけます。」
「和菓子ものがたり」より抜粋
花びら餅は本来、宮中や神社、公家などの正月行事に使われた
「菱葩(ひしはなびら)」に由来しており、
明治時代に初めて、お茶席の初釜にて使われることが宮中にて許されたとのことです。
菱葩(ひしはなびら)の由来
今は「花びら餅」と言いますが、
この「菱葩」の由来は、
新年の「歯固めの祝い」、健康長寿を願っての儀式だったようです。
平安時代から、「齢(よわい)を固める」→長寿を願うため、
猪、鹿、大根、瓜、押鮎などを食べる習慣があり、菱葩は「歯固め」が儀式化していく過程で生まれたとされ、牛蒡は押鮎をみたてて、味噌は雑煮の意味が込められていたそうです。
さて、この花びら餅に秘められた宇宙観とは?
「菱葩」に関連づけられるのが古代中国の陰陽五行説に基づく陰陽道です。
万物を陰陽の二元に分けて解明する陰陽道では
天は丸、地は角で表されるそうですが、
江戸時代にある「年中行事秘録」には陰陽道の観点から、
「粽(ちまき)は男子の節句故、天を象り丸形にし、
菱餅は女子の節句故、地に象り方形にする」との説明があり、
この二元論でいけば、菱葩は菱(方形)と葩(丸)の合体で、
合わせて天地、
すなわち、この世のすべてを包み込む広大無辺の宇宙を象徴することではないか、
また、菱葩全体で、生命をはらむ母体、
つまり女性そのものを象徴するという考え方もあり、
梅の花びらにもたとえられ
古来、人々は菱と葩の合体に
この世を支配する目には見えない神秘的な力を感じて、
神仏に供え、食し、万物の豊穣や大平の世を願ったのではないでしょうか。
「和菓子ものがたり」より抜粋
大好きな「花びら餅」、綺麗な「花びら餅」、
由来を知ってからは、ますます大切にしたい和菓子文化。
古来から健康長寿と五穀豊穣、平和を願う人々の願いが込められた、
大切にしたい美しい日本の伝統和菓子ですね(*^▽^*)
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