和菓子の分類(生菓子)
生菓子は、水分含有量と保存性を基準にして、
●生菓子 ●半生菓子 ●干菓子 の3種類に分類されます
<生菓子>
●生菓子の分類・・・6種類(製法による区分)
・餅物
もち米やうるち米を使用した菓子、
また餅に味付けしたり餡を餅で包んだりした物。
●大福/おはぎ/草餅/柏餅/道明寺/すあま/安倍川餅/花びら餅/赤飯など
・蒸し物
成形した生地を、せいろなどで蒸したお菓子
●蒸し饅頭/蒸し羊羹/蒸しカステラ/ういろうなど
・焼き物
製菓生地を焼いて作られるお菓子
・平鍋もの(火床で焼き上げるもの)
●どら焼き/桜餅/きんつば/茶通/唐饅頭など
・オーブンもの(製菓生地をオーブンで焼き上げるもの)
流し込み型と成形型の2通りあります。
(流し込み型)・・流し込むもの
●棒カステラ/今川焼/大判焼き/たい焼きなど
・
(成形型)・・成形して焼き上げるもの
●栗饅頭/カステラ饅頭/桃山/カステラなど
・流し物
寒天や砂糖、餡を主な材料として生地を型に流し成形したもの。
●錦羊羹/羊羹/水羊羹など
・練り物
主原料の餡やもち米につなぎや砂糖を加えた生地を、強くもみ、こねて練り上げて成形した菓子。
●練り切り/こなし/ぎゅうひ/雪平(せっぺい)など
・揚げ物
製菓生地を油で揚げたもの
●あんドーナツ/揚げ月餅など
<半生菓子>
生菓子と干菓子の中間を半生菓子と言います。
干菓子のように固くなく、生菓子より日持ちが良いとされていますが、菓子によっては判断が曖昧な部分もあり、菓子によっては生菓子・半生菓子と両方で言われるものもあります。
・半生菓子の分類・・・6種類(製法による区分)
・餡物
小豆のこし餡に水飴を加えて練り丸めて団子状に固め、白砂糖のすり蜜をかけたもの。餡子を白い衣で包んだ和菓子。
●石衣/すはまなど
・おか物
餡子と皮で作られる最中や、州浜粉に砂糖と水飴を混ぜて練り上げた州浜など。
●最中・州浜・鹿の子など
※州浜粉とは・・
大豆・青豆を焦がさないように煎って、皮を剥いて挽いて粉にしたもの。
きな粉より大豆の煎りが浅めで挽きが細かいのが特徴。
日本の食べ物用語辞典より引用
・焼き物
生地を焼いて作られます。平鍋ものとオーブン物に分けられます。
・平鍋もの・・平鍋を使って作られる焼き菓子。
●落し焼き/茶通/草子など
・オーブン物・・オーブンを使って焼き上げます。
●桃山/黄身雲平など
・流し物
生菓子より日持ちが良いとされます。
●錦羊羹/羊羹など
・練り物
半生菓子の練りものは生菓子より日持ちが良いとされます。
●ぎゅうひなど
・砂糖漬け菓子
蓮根・ゴボウ・大根・人参などの野菜や果物を砂糖漬けにしたお菓子。
材料の風味を活かすことを大切にしているお菓子です。
●甘納豆・文旦漬けなど
< 干菓子 >
干菓子とは水分の少ない乾燥した和菓子を言いますが、干菓子とも乾菓子とも呼ばれています。乾燥しているので日持ちもします。
茶席では薄茶の添え菓子として出されています。
花や鳥などに形どったものが多く、目で楽しむことに重点を置かれている和菓子です。
干菓子の分類・・八種類の製法による区分
・打ち物
みじん粉・煎り麦粉・栗粉・きな粉・寒梅粉と砂糖を混ぜ、好みの木型に入れて形成し、打ちだした菓子の表面に軽く蒸気をあてて乾燥させて仕上げたもの。
木型の種類は豊富で、花鳥風月、七福神などおめでたい形の他、家紋や文字など色んな種類があります
●落がん/かたくり粉/雲きん種/懐中しるこなど
・押し物
材料を型に入れて押して固めた菓子。
みじん粉・煎り麦粉・栗粉・きな粉・寒梅粉と砂糖を混ぜ、更に練った餡を加えたものです。固まったあとに包丁で切り、切り出しをして仕上げたものです。
●塩がま/むらさめなど
・掛け物
煎った豆や栗、ゼリー、飴などにシロップなどをかけ、そのまま仕上げたり艶付けや焙煎をして仕上げた菓子です。
●ひなあられ/おこし/ごかぼうなど
・焼き物
製菓生地を焙焼(ばいしょう)し、仕上げたお菓子です。
●押し焼き/丸ボーロ/卵松葉/小麦せんべい/中華風クッキーなど
・あめ物
主原料が水飴のものと砂糖のもの、また、水飴に砂糖を少し加えた物があります。
ム図飴屋砂糖を煮詰めて冷却し透明な状態にする製法や、冷却してから引き白い引き飴状にする製法があります。
●有平糖/おきな餅
・揚げ菓子
菓子生地や芋などを油で揚げたもの。
●かりんとう/揚げ豆/揚げ米菓/揚げ芋など
・豆菓子
五色豆や節分で巻かれる大豆の炒り豆など、揚げ物に属する各種揚げ豆。
●炒り豆/おのろけ豆など
・米菓
うるち米から作られる煎餅と、餅米から作られるあられやおかきがあります。
●あられ/せんべいなど